中国の雄・Baidu.com(百度)の進化論:Opportunities in China at the Age of Innovation

昨日は自分が所属するMS&Eの単位取得可能講義の1つとしてWeeklyで催される、Entrepreneurial Thought Leaders’ Seminarの初回が開催されました。今週から2009年秋学期の授業が始まったのですが、一番刺激的かなと思うのがこのセミナーです。さてさて、初回のゲストが何と驚き、中国でGoogleを抑えてNo.1の検索エンジンシェアを誇るBaidu.com(百度)の共同創業者・現CEOのRobin Li氏が訪れて講演して下さいました。こういった刺激的かつ貴重な機会が手の届く距離にある素晴らしさを感じることができるのは、こちらに来て本当によかったと思えることの1つです◎
“Opportunities in China at the Age of Innovation”と銘打って始まったRobin氏の講演は、ITバブルを経ての中核サービスのシフトの話に始まり、今後の中国市場の成長可能性にまで話が及びました。
元々Robin氏は大学卒業後すぐに起業したのではなく、Dow Jones&Company,Inc.やInfoseekなどのアメリカ企業の熾烈な環境の下で己を磨き、2000年にBaiduを立ち上げました。元々BaiduはWebサイト管理用の検索エンジンサービスを提供するいわゆるバックエンドテクノロジーの会社でしたが、Robin氏が描いた3つの生存戦略に基づきフロントエンドサービスに挑戦し、Consumer-orientedの検索エンジンサービスに注力するようになりました。Robin氏がインターネットバブル期に描いたその3つの適者生存戦略が下記の3つです。
・Realistic and Pragmatic Approach
(現実的かつ実際的なアプローチ)
・Innovation and Evolving: ”Project Blitzen”
(イノベーションと進化をもたらすProject Blitzen…技術加速的進化プロジェクト)
・Stay Focused: Core Resourses devoted to Search
(集中戦略:検索エンジンにコア資源を集約させる)
Frontendの検索エンジン企業として脱皮を図ってからBaiduは成長を続け、2007年には時価総額1兆円を超え、この100年に1度の大不況と呼ばれる昨今ですがBaiduはお構い無し、2009年第2四半期も市場予測以上の総収入の伸び(前期比35%以上!)を叩き出しています。また検索エンジンのみならず、Baidu Post Bar(掲示板/コミュニティ)・Baidu Knows(Q&A)・Baidu Encyclopedia(百科事典)などのサービスを次々に送り出し、ユーザーの実質的満足度(Stickiness)を向上させるべく一大Social Search企業として着々と足固めをしています。
またBaiduは次世代検索サービスとして”Aladdin Platform”プロジェクトに着手しており、Hidden Web Informationへリーチしたり、動的静的問わずダイナミックな情報をIntelligentかつConvenientな形で提供したりする研究を進めています。中でも目を引いたのが、”Box Computing”の概念です。ユーザーが文字をタイプする検索ボックスの機能は、Amazonなら書籍の検索、Twitterならつぶやき、Facebookなら友人の検索や日記の執筆など、それぞれのWebサービスによって異なります。それを、全ての情報・属性を1つのボックスでオーガナイズし、ユーザーが本当に求めている最適な検索結果を返そうというのがBox Computingの考え方です。つまり、今までの検索結果ページが出てくるとは限らず、ユーザーのコアニーズに基づきシンプルかつダイナミックな結果が表示されるということです。ユーザーのリクエストを分析・処理(Semantic Analysis/Behavioral Analysis/Human-Computer Interactive Interface/Massive Computingといった技術を活用)し、オープンソースフレームワークの中で適切なアプリケーションを探し出し表示するという流れです。GoogleやBingも同様のサービスを行っていますが、Baiduに対する高い期待に応えるべく中国文化にマッチする形で研究・実験を続けて精度を向上させるとのことです。
大不況下の2009年でさえ(前年度からやや下がったとはいえ)GDPが7~8%上昇し、インターネットユーザーは3億人、携帯電話ユーザーは6億人以上の中国。そうした圧倒的な需要の高まり・技術市場の活況から技術が世界を変えるんだと強く言い放ち、中国はまだ数多のチャンスが転がっているということを講演中は幾度となく強調していました。最後に、Mr.”Baidu” Robin氏が我々学生に送った言葉を記します。
“Find what you like and what you are good at. Find it, do it and stick with it.”
(好きなこと・得意なことを見つけて、それをやり続けなさい。)
本当に将来何をしたいのかというものが不鮮明なままStanfordの中で揉まれているというのが正直な自分の状況ですが、学生やら教授陣やら関係者やらメディアやらで満員の会場の中、間近で世界的な有名人を見ることができた感動もそうですが、一人原点に立ち返り今一度自分自身が心の底からやりたいことに思いを巡らせることができただけでも、今回は非常に良い機会を得ることができました。混雑が予想されたので大きい会場に場所が変更されたのですが、それでもやはり立ち見が出るなど大盛況のセミナーでした。帰りにもらえるフリーTシャツコーナーでは人・人・人でもうぐちゃぐちゃでした笑



about 5 months ago
はじめまして
日本の大学院で、修士一年の者です。来年9月からのPh.Dコース進学に向けて、現在アプライ準備の真っ最中です。
自分の大学が主催したシリコンバレーツアーに参加したとき、スタンフォードやバークレーで刺激的な話を沢山聞けた事を思い出しました。最前線に立っている人からは本当に沢山学べますし、それがしょっちゅうあるシリコンバレー周辺は本当にうらやましいです。ちなみに専攻されているManagement Science & Engineeringとは、MBAプログラムと比べてどのように違うのでしょうか?
about 5 months ago
> 自分の大学が主催したシリコンバレーツアーに参加したとき、
> スタンフォードやバークレーで刺激的な話を沢山聞けた事を思い出しました。
自分もそのクチです。スタンフォードに訪れて大きな感動を肌で感じた後、ここにアプライしなければ後悔すると思い受験しました。
また自分の所属するMS&E(Management Science and Engineering)は一応School of Engineeringに所属しており、理系的能力を養う授業(Information Technology, Finance, Statistics, Probability theory, Operations Research)と総合的ビジネスセンスを養う授業(Entrepreneurship, Marketing, Supply Chain, Negotiation)などが幅広く揃っています。MBAと異なるのはやはり技術志向の強さではないでしょうか。STVP(Stanford Technology Ventures Program)はMS&Eがホストで行われていますし、講演やイベントに来られる方々もTech系が多いです。詳しいことはまた後日新しく記事にしますね。