【書評】『マイクロソフトでは出会えなかった天職』

これは最近出版された本の中での名著の1つかなぁと思います。30代にしてMicrosoftで年収ウン千万円の報酬を得ながら、自分の夢を徹底的に追い掛けるためにその座を捨て、貧困国の子どもたちの教育環境を如実に向上させていくJohn Wood氏。彼が言いたいのは、「夢を持て」という単純なことではなく「夢を追いかける覚悟を持て」ということではないでしょうか。人間だれしも夢は持っているはずです。メジャーリーガーになりたい、ワールドクラスの学者になりたい、世界を股にかける起業家になりたい、世界の環境問題を解決する技術を創りたい…そういう夢を皆何かしら持っているはずなのに、何故か叶えられるのはごく一部の人だけ。才能や環境のせいにするのは簡単ですが、本当に成功した人・夢を叶えた人は、周りの雑音をシャットダウンし、揺るぎない決意と固い信念を持ち我が道を歩んでいるのです。時に自分が選んだ道を進むことにためらうこともありますが、大きなビジョンを掲げ、覚悟を持って生きていくその力が大切なのだとこの本を読んで改めて実感しました。自分自身生まれながらにして恵まれた環境にいる幸せを再確認しましたし、初等教育の持つ力の大きさをまざまざと実感しました。またさすがMicrosoft出身だけあって、起業論・組織運営論としても非常に充実した1冊だったと思います。
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1人の死は悲劇だが100万人の死は統計上の数字でしかない…
この子どもたちにチャンスは二度と来ない。誰かが何かをしなければ!行動を起こさない限り問題は永遠に続くだけ。
父の熱意もJohnの精神を奮い立たせた。
- 「私が一緒にネパールへ行けない理由をもう一度説明してくれないか?」
NPO界のマイクロソフトRoom To Readの方針
- 組織としての運営を確立させながらNPOとしての理想を実現する形を模索している。
(1) 活動の成果や出費の内訳を詳細な数字で報告する
(2) 人件費などの運営コストを抑え、実際の活動に最大限の投資をする
(3) 地域社会も資金や労働力を提供し、住民が主役となってプロジェクトを定着させる
(4) 地元の優秀なスタッフを集め、地元の文化に合わせたプロジェクトを育てる
世界を改善したいと思う人全てが仕事を辞めて支援活動に携わるわけにはいかないという前提に立った資金集めモデル
- 投資銀行やコンサルタント、教師など、誰でも資金集めに協力できるようにすることが目標。
- ボランティアの彼らにお金を払う必要が無いことで、資金集めのコストを抑えられる。
- スタートアップ時のcost-efficiencyは必要不可欠。
- 低運営コストは他の組織と差別化を図る特徴の1つであり、初期の寄付者の多くが経済効率を布教するテクノロジーの起業家だったことを考えると特に重要だった。
『我々のチームは途上国の地域社会と協力し、共同出資モデルを作り、学校や図書館、パソコン教室、女子への長期的な奨学金など新しい教育インフラの創造を媒介する。』
- 援助計画の成功は、地元住民に労働力と奨学資金を提供させることである(=プロジェクトの価値を身銭を切って理解する必要性がある)。
大切な寄付者と会う前に確認する5つのポイント
(1) お金のある寄付者は教育が自分の人生の役に立ったと言う経験をしている可能性が高い。その「お返し」に、今度は途上国の数百人の子どもに同じ贈り物を出来るのだと強調する。
(2) 寄付がもたらす直接の効果が分かる。8000ドルの寄付でネパールに学校を1つ建てられるのだ。お金がどこへ行くのか分からないから寄付はしたくない、という人もいる。僕たちの組織は寄付したお金の行き先を正確に報告できる。現地の写真を送り、寄付者が自ら学校や図書館を訪ねることもできるので、具体的な結果が目に見える。
(3) 運営コストは低く抑えている。寄付金の90%が運営や資金集めではなく実際のプロジェクトに使われる。
(4) 情熱を売り込む。情熱が「余る」ことはありえない。僕がテクノロジー業界の出世街道を捨てて報酬無しで専念していることを話せば、共感してもらえるだろう。
(5) 人は、人生により多くの意味を求めている。教育に投資すれば、世界を変えるために手助けをしているという素晴らしい気持ちを味わえる。
大きく考えることが肝心!
- RTRを立ち上げてすぐ「1000万人の子どもに障害の教育機会を届けること」が目標と宣言した。
- 「大きく行け、それができなければ家に帰れ」(@Microsoft)
- 今日の世界が直面している問題はとてつもなく大きい。少しずつと言っている暇は無い。時間と精力をつぎ込む価値のある目標があるなら大きく考えるべきだ。
- 大胆な目標は大胆な人々を引き付ける。
結果最重視の姿勢
- 実際の成果を報告し新しい情報をこまめに伝える。
本物の変化を起こすためには大勢の参加が必要で、1人の人間が大きな額の小切手を切るだけでは決して足りない。
僕たちの誰も、1人ではカーネギーの成し遂げたことを実現できない。
でも、みんなで協力して、数十人(やがて数百人、数千人と増えていく)のエネルギーを合わせれば、カーネギーより大きな目標を描くことができる。
説得力のある言葉出た意義を語れる優秀で力強いリーダーの必要性
「関心」は世の中で通用する通貨ではない。
誰もが僕のように世界を変えるために仕事を辞めるわけにはいかない。
それでもたくさんのホワイトカラーが、自分の才能と情熱の一部をどうすれば社会に投資できるかを考えている。
コンピュータ教室は自身の村以外の世界とつながりが無かった子どもたちに大きな約束を与えているのだ。
夢中で本を読むローテクの図書館と、世界のあらゆる知識の入り口となるハイテクのコンピュータ教室が、僕たちの活動を通して強力なタッグを組んでいる。
枠が無ければ人は創造性の筋肉を動かし自分の役割を自分で創り出す。
準備が100%整っていたら創造性は必要でなくなり、ボランティアの意欲も薄れていただろう。
僕にとってのヒーローは、戦場と化した国や飢饉に苦しむ国、地震など自然災害に襲われた地域で身を投げ出して働く医師やジャーナリストだ。
彼らは、過去をコントロールしたり変えたりすることはできないと分かっているが、未来に影響を与えることはできると心から信じている。
悲劇に身がすくむのではなく、悲劇をバネに行動を起こす人々だ。
考えることに時間をかけすぎず、まず飛び込んでみること!
最大のリスクは多くの人があなたを説得して夢を諦めさせようとすることである。
John Woodの心の底から湧きあがる情熱とビジネス経験で培った冷静な判断力が、スピード感溢れるRTRの展開を裏付けている。
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